新型コロナウイルス感染症の出現で、以前にも増して耳にするようになった「免疫力」という言葉。皆さんは免疫力についてどれだけご存知ですか?
免疫力とは、病原菌やウイルス、体内で発生したがん細胞などから体を守る自己防衛機能のこと。
人間の体はいくつもの免疫細胞が協調しあうことで、抵抗力を獲得しています。
免疫力が低下していると風邪をひきやすくなったり、がんなどの病気を発症するリスクも増えてしまうため、免疫力を高めることが重要であるとされています。
免疫の種類は2種類!自然免疫と獲得免疫
免疫は、自然免疫と獲得免疫の2種類に分類することができます。
自然免疫は、人間に元々備わっている仕組みです。
身体の中に細菌やウイルスといった病原体が侵入してきた時、血液やリンパ液に存在する白血球やリンパ球といった免疫担当細胞が体内の異物を認識することで、 それらを排除するための反応が起こります。
免疫細胞は一度体内に侵入した病原体の情報を記憶し、抗体を作ることで再発症を防ぐことができるのです。
このようにして自然に免疫を獲得できることを自然免疫と言います。
ですが、自然免疫は血液中に入った小さい病原体や、細胞の中に入り込んでしまった病原体に関しては対処するのが苦手とされています。
そこで活躍してくれるのが『獲得免疫』。
獲得免疫とは、感染した病原体を記憶することで、同じ病原体が再度体内に侵入してきたときに効果的に病原体を排除できる仕組みです。
獲得免疫は、適応免疫とも呼ばれています。
自然免疫に比べると応答までにかかる時間は長く、数日かかりますが、麻疹や風疹など一度かかると二度とかからないといわれるのは、この獲得免疫の働きによるものです。
自然免疫と獲得免疫が相互に活躍し、人の免疫システムは維持されています。
免疫細胞がいる場所って?
小腸には、全身の免疫細胞の70%以上がいるとされています。
なぜなら腸は口とつながっているため、さまざまな病原菌やウイルス、異物などが入ってきやすく、異物を排除して健康を維持するために、多くの免疫細胞が必要だからです。
また、腸内の免疫細胞は良質な腸内細菌(善玉菌)によって強くなります。
腸内細菌は100兆個、1000種類以上も存在し、腸壁の粘膜に生息しています。
その光景がお花畑(フローラ)のように見えることから、「腸内フローラ」とも呼ばれているほど。
この腸内細菌の働きを良くし、免疫細胞の活性化につなげることができれば、免疫力を高めることにつながります。
腸内環境を整えるために、まずは発酵食品を!
では、腸内環境を整え、免疫力アップを図るにはどうしたらいいのでしょうか?
動物性たんぱく質や脂質が多く、野菜類が少ないという偏った食生活は、腸内環境の乱れにつながります。
そこで有名なのは、ヨーグルトや納豆、味噌などの発酵食品ですね。
これらは、乳酸菌などの善玉菌を含む発酵食品であるため、腸内環境の改善に最適です。
善玉菌のえさとなる食物繊維やオリゴ糖などを積極的に摂取しながら、栄養バランスのとれた適量の食事を心がけることも重要です。
腸活、はじめませんか?
人間の体を守る免疫の働きは、20代をピークとして加齢とともに衰えるといわれています。
免疫細胞を作る分化機能が落ち、数が減るだけでなく、免疫細胞そのものの機能も衰えてくるので、感染症にかかりやすくなるのです。
健康に長生きをするために、まずは腸活をはじめてみませんか?
腸活の方法については、次回記事でご紹介させていただきます。
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